NPO設立③~NPO法人を社会事業として確立させるために~

「こずえのつぼみ」代表の神野が、NPO法人化のために、実際に取り組んだ内容を記した奮闘記(その3)。

今回はNPOで稼ぐための事業の構成や中長期的な発展のビジョンをどのように組み立てていったのか、について綴ります。

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目次

NPO法人を社会事業として確立させるために

「稼ぐNPO~利益をあげて社会的使命へ突き進む~」という本がある。

「こずえのつぼみ」をNPO法人化するのにあたって多くの書籍を読んだが

申請書類の書き方に関するノウハウ本は多数ある中で、この本はロジックモデルシートやビジネスモデルシートを作成し、短期から中長期にわたる事業の構成と発展を論理的に組み立てる必要性を説いている。

事業内容を構築する上で大変参考になり、いくつかのNPO法人の成功例なども掲載されているため、今でも時折読み返しては参考にさせてもらっている。

ロジックモデルシート

ここで上げられたロジックモデルシートは、簡単に触れると、事業の直接的な結果、中期的な成果、長期的な成果を積み上げ、ビジョンを明確にしていくというもの。

この本ではもう一つビジネスモデルシートが紹介されている。

これは運営するための資源(資材や場所、資金など)や、それによるサービス利用者の吸引力(メリット)を提供する事業ごとに、どのように工夫するかも書いていく。

いうなれば、原因と結果を明文化していくというもの。

一例として、神野が作成した「こずえのつぼみ」のロジックモデルシートを挙げてみる。

<「こずえのつぼみ」ロジックモデルシート 抜粋>

画像が見にくい場合のために、こちらに表形式のものも作成した。

スクロールできます
事業名活動内容直接結果短期成果中期成果長期成果ビジョン
コーチング事業
(対面・web)
発達障害やグレーゾーンのお子さんを抱える保護者へのコーチング発達障害の特性や個性を強みと認め前向きな育児が出来る保護者の自己肯定感の向上により子育てを前向きに楽しめる個性(強み)を伸ばし親子でポジティブに成長を楽しめる子どもの進路について親子で納得のできる取り組みが出来る様々な境遇で健全に育つことが出来ない子ども達に、
その保護者や
関わる大人の意識を
変えることで
子どもたちのみを伸ばし、健やかな成長を支える。
不登校児童・生徒を抱える保護者へのコーチング親子の不登校ストレスを転換し精神的に健全な状態を取り戻す子どもの思いや悩みを受け止め、親子共に焦りやとらわれから開放する親子で就学の選択肢を決め前向きな生活を送り子どもの可能性を広げる「自分は価値のある存在」だと認め、他の人を支え教えてられる人に育つ
ひとり親へのコーチング親の精神的、経済的な自律が促され、健全な育児環境に向かう親子が協同生活を楽しみ、お互いを尊重し支えあえる関係が出来る親子がそれぞれの役割や進路に向かって具体的に伸ばしあえる子どもの精神的、経済的な自律が促され、具体的な進路に向かっていく
小学生・反抗期を抱える親へのコーチング親は他責を無くし自分の価値を認め、子どもの個性を尊重出来る育児や子どもの成長が楽しくなり、子どもの個性や強みを認識する子どもの自己肯定感・自己効力感が高まり、非認知能力が強くなる精神的に成熟、自律し自他を幸せにできる成人になれる
無料講習会・研修会・生涯学習事業Web無料講習会・研修会等、生涯学習機会の創出講習会・研修会の利用で育児や教育、生活の質の向上の為の学びを得る無料であることから時間の許す限り多くの学びを簡便に得られるより深く学びたい場合、講師とのマッチングで、より専門性の高い学習が行える学んだことの実践により自身や子供達をはじめ家族の生活の質の向上に繋げられる

神野の想い

思いや気持ちだけで事業を起こしても立ち行かなくなるケースはままある。

これはNPO法人に限らず、株式会社を作っても同じことが言える。

ちなみに、中小企業庁のデータによると、5年で15%程度(2019年現在)が開業しても退場している。

成果をあげられる道筋がきちんと構築されておらず道半ばで資金ショートしてしまうケースが非常に多いためだ。

そしてNPO法人はというと、2023年の数字で認証法人数が50,000法人に対し解散数25,000法人となんと既存の認証法人の半数にも上る。

代わりに申請受理件数も50,000法人ある為、全体では増加しているが、凄まじい新陳代謝と言える。

申請の多さは以前に比べ申請の手続きが簡便になり、ネットでの情報が手厚くなったり、窓口が多くの市に移譲され増加していることもある。

しかし、事業の骨子となる計画が不十分であり、そもそも事業として最初から機能していないボランティア集団の延長のような組織も多い。

NPO法人は公的な認証を受けた、半公共的要素を含んだ責任ある法人であることを改めて考えておきたい。

参考文書
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