大阪市でのNPO設立①~NPO法人「こずえのつぼみ」が出来るまで~

「こずえのつぼみ」代表の神野が、有料の相談窓口や申請代行業などを使わず、NPO法人化のために、実際に取り組んだ内容を記した奮闘記です。

NPO法人化までの経緯、神野の想いや実際の経験談、苦労した内容などを綴ります。

この記事でわかること
  • NPO法人とはなにか
  • 大阪市でNPO法人設立に至るまでの具体的な手続きや期間、経緯など
  • 「こずえのつぼみ」がNPO法人として成し遂げたいこと
目次

特定非営利活動法人(NPO法人)について

特定非営利活動法人(NPO法人)とは何か?

非営利という言葉でボランティアの延長とか、稼いではいけないと思っている人が多いが、非営利とは、株式会社などでいう当期利益の分配を行ってはならないというもの。

会社組織では株主に当期利益の分配を行い、株主が持ち株比率に応じて配当などの利益を得る事があるが、これを行ってはならない。

そもそも株式会社ではないので出資もしておらず、配当する根拠もないのだが、NPO法人の場合、出た利益は翌年度の活動資金として使用することが原則になっている。

稼いではいけない、は全くの幻想であり、事業計画にも「その他事業」という収益部門を設ける書式が存在する。

近年、稼いだ利益を給料という形で翌年度の事業資金として使用せず、多額の利益を事実上個人の利益とする悪質な使い方をする団体が見られることから、その辺りの見方は厳しくなっているのが現状だろう。

NPO法人が存在する意義

NPO法人が存在する意義は、行政のサービスでは手に負えない、そして民間でも取り扱いずらい分野を、横断的にカバーすることにある。

例として「こずえのつぼみ」では、不登校の問題を取り上げているが、行政では個々の生徒や家庭にまで手が届かず、しかし、利益を得られない支援に民間企業が参入することも出来ない

そこでNPO法人が間に入り、そこをカバーする。

NPO法人も当然全くの無償では出来ない為、行政からの助成金を得たり、NPO法人の信用力によって寄付を募ったり、「その他事業」でそこをカバーする権利を有している。

NPOでの不登校児とその保護者の支援について

現在全国で30万人と言われる不登校への支援に関しては、直接受け入れるフリースクールや放課後デイのような形でNPO法人が次々に作られている。

行政としては、不登校児の学力低下や、就学率の低下、そのままニート化してしまい社会人としての就業もままならないなど、年々増加の一途をたどる不登校問題は重く受け止めざるを得ない状況となっている。

「こずえのつぼみ」はそうした現状を受け止め、お母さんへの支援を行うことで、不登校に悩む親子に光を当てたいという思いで設立する。

大阪市でのNPO法人設立のための手続き

事業をやるためには、株式会社、社団法人など、法務局で登記をして法人格を得るが、NPO法人は内閣府の管轄になり、その認証を得なければ登記が出来ない。

内閣府は都道府県に権限を委譲し、都道府県によっていくつかの市にさらに認証手続きの権限を委譲している。

大阪府の場合、以前は大阪府で認証手続き出来たものが、現在は大阪府下の各市役所に権限を委譲している。

認証手続きを全て終えるには約3か月かかる

最初に申請書類の不備や内容の精査が行われ、ここで趣旨に沿った事業計画かどうか、細かいチェックが入ることになる。

時には定款や設立趣意書を書き換える必要もあり、この作業に2週間から3週間はかかると思った方が良い

神野が申請している「こずえのつぼみ」も事業内容の一部が、ビジネスマッチング的な要素を含むため、NPO活動ではなく「その他事業」という位置づけに記載変更をすることになった。

この記載変更では、事業を分けることから定款と設立趣意書の一部の書き換えが必要になった。

大阪市では市民局が管轄しており、NPO担当の方は非常に細かく内容を精査してくださる。

個人の見解では不足と思われる場合は、市民局全体で会議にかけ、精査してくれているようだ。

大阪市では全ての書類を一旦メールで送り、電話でパソコンまたは書類を見ながらやり取りをする。

そのため、1回の電話が約30分くらいかかり、市役所が開いている時間帯だとなかなか対応しづらい人もいると思う。

この辺りもなかなか進まないと言われる所以だろう。

しかし、担当者は一言一句見逃さないように、親切丁寧に進めてくれるのでストレスは少ない。

「大阪市は細かい」などとネットに書かれいるのを見た事があるが、丁寧さを揶揄されているのだろうなと感じる。

次回の記事では、NPO法人設立申請に必要な書類のなかでも、今回神野が苦戦した書類と注意点について書いていくことにする。

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